シンクロ/レゾルバとは|主な特徴と活用シーンをわかりやすく解説

 

シンクロ/レゾルバは、過酷な環境下でも高精度な角度検出が可能な角度センサです。本記事では、シンクロ/レゾルバの基本的な仕組みから主な特徴、具体的な活用シーンまでをわかりやすく解説します。

 

角度検知

 


1. シンクロ/レゾルバとは

シンクロ/レゾルバは、電磁誘導の原理で磁界変化を利用して回転角度を検出する角度センサの一種です。電圧のアナログデータをデジタルに変換することによって、位置・角度情報を高精度に検出できるのが特徴です。 また、過酷な環境下でも耐えうることから、防衛機器や車載機器など、耐久性や精密さが求められるシーンで活躍しています。

 


2. 主な特徴

シンクロ/レゾルバの主な特徴には、「高精度な角度検出」・「過酷な環境下での高耐久性」といった点が挙げられます。

<シンクロ/レゾルバの特徴> 

・高精度な角度検出

シンクロ/レゾルバは、微細な変化に強いアナログデータをデジタル変換することによって高精度な角度検出が可能です。アナログセンサは微細な変化検出に強みを持っており、デジタルセンサはアナログセンサに比べてノイズに強い特性があります。

シンクロ/レゾルバは、微細な角度を検出したアナログ信号をデジタルデータへと変換することにより、両者の特性を生かした高精度な角度検出を可能としています。

・過酷な環境下での高耐久性

過酷な環境下での耐久性の高さも、シンクロ/レゾルバの特徴のひとつです。たとえばその他のアナログセンサではノイズによる誤差が、デジタルセンサでは高温環境が、光学センサでは油や粉塵等による光学部品の汚染が、それぞれ誤差や動作不良の原因となります。

しかしシンクロ/レゾルバは、アナログ・デジタルの組み合わせにより耐久性が高く、アナログ線も複数本あることで電源の再起動時やリセット時にも即座に角度を再測定できる など、過酷な環境下でも安定的に動作します。

 


3. 活用シーン

シンクロ/レゾルバは、高精度な角度検出・過酷な環境下での高耐久性といった強みを生かし、安全性が重要視される防衛機器や車載機器等で活用されています。

シンクロ・レゾルバが活用される分野

<活用シーン例>

機器

用途

 装甲車

 砲身・アンテナ・タイヤ等の制御

 艦船/護衛艦

 砲身・アンテナ制御、上下左右の制御、舵取り

 ミサイル等

 ミサイル・魚雷等におけるフィン制御

 アンテナ

 アンテナ位置、方角の制御

 ヘリコプター

 ローター・翼面制御、ランディングギア、コックピット計器

 航空機/戦闘機

 フラップ・翼面制御、ミサイルフィン、コックピット計器

 電気自動車(EV)・
 ハイブリッドカー(HEV)

 走行制御、パワーステアリング 

 

上記以外にも産業用機器など、熱や振動・油といった通常のセンサでは正常な角度測定が難しい場面でシンクロ/レゾルバは活躍しています。

 


4. 活用にあたっての課題

シンクロ/レゾルバは、アナログデータをデジタルデータに変換する仕組みであることから"シンクロ・レゾルバコンバータ"が重要な役割を果たしています。正確な角度をアナログデータとして測定できたとしても、それがデジタルへの変換時に失われてしまう可能性があります。そのため耐久性はもちろん、シンクロ・レゾルバコンバータの性能にも目を向けて考えるとよいでしょう。

<参考: シンクロ・レゾルバコンバータのご紹介> 

航空宇宙・防衛などの広い分野で活躍する世界的メーカーのDDC/PDC社では、コンパクト・高解像度・高効率なシンクロ/レゾルバコンバータも提供しています。

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☞省スペース、3.3V I/OのFBGA 2スピードシンクロ/レゾルバコンバイナーを再設計

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>>>まとめ

本記事では、シンクロ/レゾルバの基本的な仕組みと特徴、活用シーンについて解説しました。防衛機器や車載機器など、高い信頼性が求められる分野で広く活用されているシンクロ/レゾルバ。シンクロ・レゾルバコンバータをはじめ、DDC/PDC社製品に興味がある方は、ぜひ下記お問い合わせからご連絡ください。


 

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